あんみつは味のシンフォニーです。

あん、蜜、寒天、赤えんどう、求肥、みかん、このシンフォニー。

その昔、赤エンドウ豆に蜜をかけて食べていた時があって、 やがてそれに寒天が入って、みつ豆ができた。すごいのはそこにあんこを入れちゃった人がいて、あんみつとしてブレークしたわけです。

さらにみはしでは、素材の旨さにこだわります。

北海道の十勝地方の小豆だけを使っているわけですが、 50年来の小豆問屋さんに毎年十勝に出向き、十勝の中でも良質の小豆を入手してもらっています。 現在は機械で選別しているわけですが、従来は手で一粒一粒選り分けていました。それこそ「粒よりの」小豆です。 直火で銅釜でじっくり煮、何回も晒(さら)して、よく絞って 時間をおかずに加糖してさらっとしあげる。何も特別な事はしていません。日持ちもしますが、新鮮さも大切にしています。

創業よりさっぱりを目指していたみはしのあんみつです。 黒みつと白みつの中間です。黒砂糖は沖縄の名産ですが、那覇市から約450km南にある波照間島の黒砂糖を使っています。島によってそれぞれ味が異なる黒砂糖ですがここが一番みはしのあんみつと相性がいいです(社長の独断ですが) 。一見すると岩石のような黒砂糖、砕くと、つーーんと強い香りが立ちますが、甘くは感じません。

寒天がうまいかどうかは、寒天の質も大事ですが、ちゃんとカドがあるかどうかが特に大事なんです。カドのちゃんとある寒天は新鮮なんです。カドのある寒天をかむと、新鮮さが感じられるんです。素材は伊豆諸島や静岡県の海岸でとれた天草(テングサ) をさらして、これらをブレンドします。 島や季節によっても変わる素材をいかにブレンドするかがとても大切です。それによって適度な堅さが歯触りとなって、のりの出方が滑らかな舌触りとなってさっぱりとしたみはしのあんみつと相性がいいわけです。敢えて海草くささを抑えほのかに残る海の香りが信条です。

お米を粉にしてゆっくりと火を入れていきます。火が通ったところで上白糖を入れて練るという簡単な作業なのですが、一番難しい。季節の変わり目など固かったり、柔らかすぎたりしないように注意します。これこそ長匠の技になりますね。

これは缶詰めです。できる限り国産のみかんにこだわっています。昔ながらの酸っぱいみかんがなかなか無くてシンフォニーで言えば、シンバルの一発ですから、新鮮な気持ちで2度美味しくあんみつを楽しむための鮮烈なインパクトを期待しているわけです。

そうです、あんみつに入っているあのお豆です。一見すると柔な茶色でしわしわの赤エンドウ豆ですが、結構手強いです。皆様の口に入るまで2日の工程です。3時間かけてゆっくりと煮て、翌日に蒸籠にかけて蒸かします。粉を吹いたようなほくほくなお豆になってくれます。